所蔵品紹介

【ふる里館所蔵品 紹介1】  

 4種類の水田除草道具

 弥生時代以降本州で水田耕作が行われるようになると、収穫を上げるため水田の雑草対策が必要となり今日まで様々な道具や機械が使われるようになりました。
 ふるさと館には近代的な動力機械や除草剤が出現する昭和30年代まで使われた草取り爪(くさとりづめ)、雁爪(がんづめ)、田打車(たうちぐるま・手押し除草機)、除草下駄(じょそうげた)が収蔵展示されています。

 草取り爪 
雁爪1雁爪4使用法
 指先に琴爪のようにつける鉄製の爪で、稲株の回りを引っ掻くようにして草を取りながら土をかき回しました。指先を保護し、草を容易に取れるようになりましたが、雁爪の出現、田打車の出現とともに次第に見られなくなりました。(長さ4cm、幅2cm)

 雁爪
草取り爪2草取り爪5使用法
 直径8mmの丸い鉄棒を平らに叩き、先をとがらせた細長い刃先を内側に大きく湾曲させ、元部をまとめて短い柄に差し込んだもので、水田に這いつくばるようにして草をとりました。田打車の出現・普及する明治後期以降次第に使われなくなりました。(4本の屈折部から刃先までの長さ13cm、全幅11.6cm。柄の長さ9cm、直径3.5cm)

 田打車(手押し除草機) 
手押し除草機2手押し除草機3稼働部
 明治末期に関西地方で舟形の枠あるいは板に竹歯を植え、長柄を斜めに付けた立ったまま草取り作業のできる道具「田打車(手押し除草機)」が考案されて作業能率が高まったので各地に広まりました。その後、改良されて鉄の爪を放射状に植えた木の筒を横にして木枠に取り付け、これを押し引きしながら回転させる形態のものも使われました。改良が重ねられて、爪と回転軸が一体成形されると1条用から2条用と進歩しました。(長柄の長さ125cm(木部103cm)、幅37.5cm(長柄軸部14cm)。舟形の長さ50cm、幅15cm。爪:6枚歯、4列と3列が交互に配置)

 除草下駄
除草下駄1除草下駄3使用法
 押し引きして楽に早く草取りができる田打車(手押し除草機)は体力にまさる男性には適していましたが、小柄で非力な女性や子どもには不向きでした。そこで考えられたのが除草下駄でした。舟形の木枠の底に針金をV字に張り、上部にビニールホースの鼻緒を付けた長方形の下駄に乗って条間を滑らせて草を踏みつぶし、舟首につけた針金を手で引き上げて前進しました。十文字地区で考案されたのか県南の一部地域でのみ使われたようで、農業用具の解説本にも載っていない貴重な道具で、昭和30年代まで使われたようです。2022年7月に4点寄贈されました。(長さ65cm、幅18~24cm)